さりはま書房徒然日誌2024年11月24日(日)

手製本・和綴・四つ目綴じに再度トライ

今月まるみず組の製本基礎講座で四つ目綴じにトライしたばかりなので迷ったが、飯田橋にある本づくり協会で美篶堂さんの四つ目綴じ講座を受けてきた。
こちらでも学ぶこと多々、再度トライしてよかった。

手製本の世界にいる方々は、どこの工房の先生も丁寧に、手を抜くことなく、それぞれ独自の工夫を凝らしている。今の社会には珍しくどこでも同じやり方……ではない。それぞれに良いところがある


そしてどこの工房でも五感をフルに働かせて、私のモタモタの原因を教えてくださる……指摘される私のマズイ点がその都度違う。私って360度改善の余地があるんだ……と驚くやら、呆れるやら、感心するやら。


そうした指摘は、それぞれの先生方の日頃の工夫があるからかなあ……と余り具体的に書かないようにしているのだが、この位なら許されるだろうか……

目打ち(千枚通し)を和綴にあて、かしわ棒(たたく木の棒)で叩き、表紙、本文、裏表紙に穴をあけようとしていた時のことだ。
私の叩く音が「ドンドン」と低くどこか変だ……と先生が耳をすます。それから和綴の押さえ方、かしわ棒の握り方、手首の曲げ方、肘の角度……を色々変えて試してみる。
するとそのうち音が「ドンドン」から「トントン」と高い音に変わって、目打ちが紙にスッと入っていってくれた、アラ不思議。
この話を友人にしたら「そんなことが」と笑っていたが、本当に持ち方が変わると音も変わり、穴もあけやすくなる。


伊那にいらっしゃる美鈴堂の上島松男親方(十五歳で製本職人になられた)は、かしわ棒をとても軽快に打つらしい。伊那の空に親方の「トトントントン」というかしわ棒のリズムが響く様子を想像する。いいなあ…。

多分、かしわ棒も目打ちも日常生活では縁がないから、この握り方の感触をすぐ忘れてしまうだろうけど、「トトントントン」というリズムで本を作る製本職人さん・上島親方の話はきっと忘れない。

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