丸山健二『千日の瑠璃 終結7』より八月十九日「私はかんかん照りだ」を読む
まほろ町を覆うかんかん照り。
その様子が以下の文中の「ぐったりとさせ」「でたらめにかき乱す」という言葉からありありと浮かんでくる。
読んでいる私まで寒さを忘れ、なんだか真夏の日差しを浴びている気分になってくる。
言葉の力とはおそろしいもの。
アスファルトの路面をぐったりとさせ
昼下がりの時間帯をでたらめにかき乱す私は
今頃になって厳冬の付けを払い
帳尻を合わせつつ
(丸山健二「千日の瑠璃 終結7」350ページ