丸山健二『千日の瑠璃 終結8』より九月二十三日「私は選挙だ」を読む
リゾート開発波と自然保護派に分かれた、まほろ町の町長選。
大学教授が率いる自然保護派は身内から大麻栽培者が出たりで、破れてしまう。
入院した夫に代わって、選挙後の挨拶に立つ教授夫人の思い。
田舎暮らしの単調さを紛らわす手段になりかねない自然保護運動の危うさ……田舎暮らしをされている丸山先生だからこその視線がある。
こんなことでもなければ何もない日々を
延々とくり返すばかりで、
ささやかな変化と
安直な感動に飢えきっているかれらの臭い芝居に
結局のところ利用されていただけではないかと
本気で疑い始め、
そして自分もまた
そのひとりであったことを悟った。
(丸山健二『千日の瑠璃 終結8』93ページ)