こうした問題において、もっとも要求されるものとは知性であり、時には批判的な能力でもある。しかし経済学の研究において求められ、培われてきたものは、共感の能力である。とりわけ、このすばらしい能力のおかげで、仲間の立場に身をおくことだけでなく、他の階級の立場に身をおくことが可能になる。例えば、異なる階級への共感とは、研究によって可能になってきたものである。そうした研究が、日々、ますます求められるようになってきている。その研究は、人格と収入における影響について、また雇用手段と支払い習慣における影響について研究することであり、国家の効率をあげ、確実さと愛情を強固なものにして、経済集団のなかで個々をまとめる方法を研究することでもある。個々とは、家族であったり、同じ仕事における雇用主と雇用人であったり、同じ国の市民同士であったりする。それはまた、私欲のない個人が、職業的なしきたりや産業別労働組合の習慣が残る階級の私欲と混ざる時の、善悪についての研究でもある。あるいは、現在および未来の世代のために、富を増やし機会を増やしていく方向へ向こうとする動きについての研究でもある。(1.Ⅳ25)
-
最近の投稿
最近のコメント
- さりはま書房徒然日誌2024年9月19日(木) に さりはま より
- さりはま書房徒然日誌2024年9月19日(木) に Li より
- 隙間読書 芥川龍之介『地獄変』 に 平山和夫 より
- M.P.シール「音のする家」 に さりはま より
- M.P.シール「音のする家」 に a walker-by より
アーカイブ
- 2024年10月 (10)
- 2024年9月 (27)
- 2024年8月 (24)
- 2024年7月 (31)
- 2024年6月 (26)
- 2024年5月 (30)
- 2024年4月 (27)
- 2024年3月 (31)
- 2024年2月 (29)
- 2024年1月 (31)
- 2023年12月 (31)
- 2023年11月 (30)
- 2023年10月 (31)
- 2023年9月 (30)
- 2023年8月 (30)
- 2023年7月 (30)
- 2020年4月 (1)
- 2020年3月 (4)
- 2020年2月 (2)
- 2020年1月 (7)
- 2019年12月 (10)
- 2019年11月 (9)
- 2019年10月 (6)
- 2019年9月 (12)
- 2019年8月 (9)
- 2019年7月 (9)
- 2019年6月 (22)
- 2019年5月 (20)
- 2019年4月 (10)
- 2019年3月 (8)
- 2019年2月 (13)
- 2019年1月 (16)
- 2018年12月 (11)
- 2018年11月 (19)
- 2018年10月 (30)
- 2018年9月 (23)
- 2018年8月 (15)
- 2018年7月 (20)
- 2018年6月 (17)
- 2018年5月 (32)
- 2018年4月 (19)
- 2018年3月 (12)
- 2018年2月 (15)
- 2018年1月 (21)
- 2017年12月 (21)
- 2017年11月 (24)
- 2017年10月 (39)
- 2017年9月 (28)
- 2017年8月 (29)
- 2017年7月 (38)
- 2017年6月 (16)
- 2017年5月 (15)
- 2017年4月 (15)
- 2017年3月 (12)
- 2017年2月 (16)
- 2017年1月 (15)
- 2016年12月 (15)
- 2016年11月 (19)
- 2016年10月 (20)
- 2016年9月 (19)
- 2016年8月 (20)
- 2016年7月 (30)
- 2016年6月 (22)
- 2016年5月 (14)
- 2016年4月 (20)
- 2016年3月 (22)
- 2016年2月 (16)
- 2016年1月 (20)
- 2015年12月 (26)
- 2015年11月 (17)
- 2015年10月 (22)
- 2015年9月 (23)
- 2015年8月 (18)
- 2015年7月 (19)
- 2015年6月 (17)
- 2015年5月 (20)
- 2015年4月 (18)
- 2015年3月 (18)
- 2015年2月 (18)
- 2015年1月 (23)
- 2014年12月 (27)
- 2014年11月 (25)
- 2014年10月 (27)
- 2014年9月 (24)
- 2014年8月 (23)
- 2014年7月 (24)
- 2014年6月 (27)
- 2014年5月 (25)
- 2014年4月 (24)
- 2014年3月 (21)
- 2014年2月 (15)
- 2014年1月 (20)
- 2013年12月 (18)
- 2013年11月 (21)
- 2013年10月 (12)
- 2013年9月 (28)
- 2013年8月 (12)
- 2013年7月 (18)
- 2013年6月 (28)
- 2013年5月 (33)
- 2013年4月 (37)
- 2013年3月 (27)
- 2013年2月 (32)
- 2013年1月 (38)
- 2012年12月 (10)
- 2012年11月 (2)
- 2012年10月 (3)
- 2012年9月 (5)
- 2012年8月 (5)
- 2012年7月 (11)
- 2012年6月 (13)
- 2012年5月 (19)
- 2012年4月 (1)
カテゴリー
- 2017年 (87)
- 2018年 (101)
- 2019年 (26)
- M.P.シールの部屋 (6)
- さりはま書房徒然日誌 (437)
- アビジット・バナジーとエスター・デュフロ (11)
- アメリカ政治 (5)
- アーサー・モリスン (190)
- ギリシャ危機 (7)
- クルーグマン (12)
- サキ (302)
- シリア (1)
- ジャェイゴウの子ども (217)
- チェスタトンの部屋 (428)
- チャプター3 (20)
- ティム・ハーフォード (2)
- ホワイトハウス (8)
- ポール・ラファルグ 怠ける権利 (3)
- ポール・ローマー (2)
- マンアライヴ (427)
- マーシャル経済学原理 (54)
- マーシャル経済学原理4章 (22)
- ミドルマーチ (10)
- ミドルマーチ1巻 (10)
- ユニセフ (1)
- リチャード・ミドルトン (5)
- ロンドン・タウンへ (269)
- 三猿金泉録 (1)
- 再検討「耐えがたきバシントン」 (104)
- 労働問題 (10)
- 原子力発電 (1)
- 国連 (1)
- 夏祭浪花鑑2017年7月 (4)
- 怪談 (13)
- 教育 (14)
- 文楽 (4)
- 日本 (13)
- 未分類 (73)
- 英国怪談 (14)
- 読書日記 (210)
- 道徳感情論セクション2 (38)
- 道徳感情論第1部第1篇 (47)
- 開発経済学 (11)
- 音のする家 (6)
- 高齢者の労働問題 (3)
メタ情報