『灯台の殺人』
作者:グラディス・ミッチェル
訳者:宮脇孝雄
今週末のグラディス・ミッチエル「月が昇るとき」読書会にむけて、『灯台の殺人」を慌てて読んだ。
この先、ネタバレあり。
最後のミセス・ブラッドリーの推理に手をたたきそうになって、一瞬、冷静になる。こんな推理で、私は犯人にされたくないと。
灯台に来たばかりで潮の流れを知らなかったから、死体を灯台から捨てた…だから新入りが犯人だ…という推理は安易ではなかろうか。パニックにおちいって死体を投げ捨てたかもしれないし。どうも、この推理は弱い気がする。
さらに疑問が…。
灯台に四人も勤務しているものだろうか。日本の灯台は、とても孤独な感じがするのだが。
背中にナイフが刺さった状態で灯台から死体を放り投げたら、ナイフは死体からはずれてしまうのではないだろうか?やったことはないから分からないけれど。
疑問はふつうつとわいてくるが、灯台守の暮らしの様子も、西スコットランドなまりで話す様子も訳文のおかげだろう、いかにも雰囲気があって、たっぷり楽しめた。もっとグラディス・ミッチェルの短編が読みたいものだ。
2017年9月20日読了