1.1.14
Smith: The Theory of Moral Sentiments | Library of Economics and Liberty.
さて共感についてだが、共感する理由が何であってもいい。わくわくしてもかまわない。何よりも嬉しいのは、ほかのひとが共感している姿をみることであり、その共感に私たちの胸中にある感情すべてをみいだすことである。だが共感とは逆の状況になると、動揺してしまう。それから自分を愛するあまり、感情の原因をつきつめるのが好きなひとがいる。そうした感情を分析するひとは道徳規準にしたがって、喜びや苦痛を説明したりすることに困りはしない。そして、こう言う。人間は自分の弱さに気がついているし、他人からの助けが必要だと知っている。それに悩みを受け入れてもらったことに気がつくと、いつでもうれしくなるものだ。それは他人からの助けが確かなものになるからである。だが反対の状況には、嘆き悲しむ。それは抵抗されるだろうことが予想されるからである。(さりはま訳)