サキ「耐えがたきバシントン」 Ⅴ章 43回

戯れに恋をしながら昔の関係へと何度も戻りつつと、恋の寿命が長いのは、ヨールが自分の立場から感傷をそそろうと努力しているというより、ミス・マククェードの積極性に富んだ気づかいにあった。モーリー・マククェードは小さな狩りの仲間のあいだで、乗馬好きの、月並みだが型にはまらない女として知られ、「愛想のいい女」だと分類されていた。近所のひとの庭や子供たち、一般的に人気のある猟犬について、いささかなりとも真価がわかるときに、彼女は十分に愛想がよく、自分の不健康なところについて十分に黙っていた。ほとんどの男は彼女を好んだが、彼女を嫌う女の割合は厄介なくらいに高かった。そのうちにと思われていたことだが、彼女はビール製造業者かオッター・ハウンド犬の飼い主と結婚してから、後に、モールバーンとか、それと似たような学問や商業の中心地で、男の子一人か二人の母親になるだろう。彼女の本質である熱情的な側面は、田舎では推し測れないものであった。

 

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