アダム・スミス道徳感情論 1.1.41 共感的心情の持ち主もいれば、自分のことだけしか考えない人もいる

どれほど好ましく思えることか。共感的心情の持ち主と、打ち解けて話している相手の感情が、すっかり響きあっているようにみえるときに。相手の災難を悲しみ、相手がうけた侮辱に憤り、そして相手の幸運を喜ぶときに、共感的心情の持ち主がどれほど好ましく思えることか。相手の状況を切実に感じては感謝され、どんな慰めであれ、優しい友達の、思いやりのある共感から生まれる慰めを感じる。だが、それとは反対の場合、どれほど不快に思えることか。とげとげしく冷淡な心で、自分のことだけを考えるときに。しかも、他人の幸せや不幸をまったく感じないときに。こうしたときにも、私たちは相手の痛みに分け入っていく。他人の不幸や痛みに無感覚な者の存在は、親しく話しをする限られた生の持ち主すべてに、苦痛をあたえるにちがいない。なかでも共感的心情をいだくことの多い不運なひとや、傷ついたひとには、とりわけ苦痛をあたえることだろう。(さりはま訳)

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アルフレッド・マーシャル 経済学原理 第八版への序文27ページ

妻はこの本の、どの版においても、あらゆる箇所を手伝ってくれ、私に助言してくれた。この本のかなりの部分は、彼女の示唆や心配りや判断によるところが大きい。ケインズ博士とL.L.プライス氏には、初版の証明を読んでいただき、多大な助言をいただいた。A.W.フルックス氏からも、また、多大なる尽力を頂いた。ご尽力くださった多くの方のなかでも、一版だけでなく複数の版でご尽力をいただいた方々として、アシュレー教授、キャナン教授、エッジワース教授、ハーバーフィールド教授、ピグー教授、タウシック教授、ベリー博士、C.R.フェイ氏、シジウィック元教授に感謝を捧げたい。

 ベーリアール・クローフツ

6、マディングレー・ロード、ケンブリッジにて

1920年(27ページ)

 この章の脚注

1.1879年に妻と私が出版した「産業の経済」において、この基本的なまとまりの特質をしめそうという努力がなされた。需要と供給の関係を説明しようとする短い試みが、配分の理論の前になされた。一般的な推論についての、このひとつの案は労働者からみた賃金、資本の利子、経営者からみた賃金と継承して用いられた。この取り決めは漂流してしまい、十分にはっきりしたものにならなかった。ニコルソン教授の提案に関して、この本ではさらに重要なものとして考えている。

2.”marginal”(限界)利益という言葉はドイツのチューネンの孤立国(1826年から1863年)から借りたものであるが、今ではドイツの経済学者によって一般的に用いられている。ジェボンの理論があらわれたとき、”final”(最終的な)というその言葉を採択したが、だんだんと”marginal”(かろうじて収支を償う、限界の)のほうがいいと思うようになってきている。(さりはま訳)

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アルフレッド・マーシャル 第八版への序文 25~26ページ

限界費用(生産量を一単位増すことによって生じる総生産量の増加分)の変動は、以下の、よく知られた事実による。経済的原因のこうした影響は、簡単には追求できるものではない。だが、重要なものである。重要なことは観察者がいだく第一印象ではなく、観察者の目をひきつけるものでもなく、経済的原因のこうした影響のほうが重要なことが多い。過去において、この影響が経済分析の発端となり、苦しみとなった。この重要性は、おそらく一般には理解されない。そのため完全に理解するには、更に研究をしていくことが必要となる。(25ページ)
様々な要素が許す範囲で、少しずつ、試験的に、新しい分析により経済にもたらそうと試みられているものがある。その試みとは、わずかな増加(一般的に異なる計算方法を呼び起こす)に関する科学的方法である。近年、物理的要素に関しては、コントロールできるようになった。その大半は、直接的、間接的に、科学的方法によるもので、まだ初期の段階である。定論もなく、学説もない。専門用語を完全に定着させる時間もない。その他のどうでもよい事柄は、健全に生活しているという徴でしかない。しかしながら実際に、本質的要素に関して、素晴らしい調和と同意が見いだされる人々がいる。それは新しい方法をつかいながら発展的に働いている人々であり、もっと単純ではっきりした仕事で見習いとして働いている人々でもある。あるいは、発展的な物理の問題のために働いている人々である。一世代が過ぎた30年後には、経済に関する調査分野への、限られたものながら重要な統治権は当然のものとなり、論争となることはないだろう。(26ページ)(さりはま訳)

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日米安全保障条約で復習する英語 2条

The Parties will contribute toward the further development of peaceful and friendly international relations by strengthening their free institutions, by bringing about a better understanding of the principles upon which these institutions are founded, and by promoting conditions of stability and well-being. They will seek to eliminate conflict in their international economic policies and will encourage economic collaboration between them.

 
第二条
 
締約国は、その自由な諸制度を強化することにより、これらの制度の基礎をなす原則の理解を促進することにより、並びに安定及び福祉の条件を助長することによつて、平和的かつ友好的な国際関係の一層の発展に貢献する。締約国は、その国際経済政策におけるくい違いを除くことに努め、また、両国の間の経済的協力を促進する。
 
解説文
The Parties ( 主語・署名人)will contribute ( 動詞・貢献する ) toward the further development ( 一層の発展 ) of peaceful and friendly ( 平和かつ友好的な) international relations by strengthening ( 強化することによって ) their free institutions( 自由な諸制度 ), by bringing about ( もたらすことによって ) a better understanding of the principles( 原則のさらなる理解) upon which these institutions are founded(これらの基礎をなす) , and by promoting (促進することによって) conditions of stability ( 安定)and well-being(福祉). They will seek (動詞①追求する)to eliminate ( 除く )conflict ( 紛争、対立、論争) in their international economic policies and ②will encourage (助成する)economic collaboration between them.
☆the Partiesの意味は、署名人。この条約にサインしている人たち
☆安定及び福祉の条件を助長する→安定および福祉の状態を促進する、という意味では?
☆その国際経済政策におけるくい違いを除くことに努め→国際経済政策における対立を除くことをつとめ
 
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アダム・スミス 道徳感情論1.1.40 長所がまた長所をうむ

 人とつきあったり話したりという二つの異なる試みにも、当事者の感情にはいりこもうとする観察者の試みにも見いだされるものがある。また傍観者にあわせて感情をダウンしようとする当事者の試みにも、見いだされるものがある。それは長所についての、二つの、異なる組み合わせである。優しくて、おだやかで、感じがいいという長所と、腰が自然とひくく、人間性が優しいという長所が、当事者の試みにも、観察者の試みにも見いだされる。偉大であり、威厳にみち、尊敬に値する長所とは、無私の心であり、自制する心であり、情熱を抑制しようとする心である。その長所が私たちの行動を気高く、名誉があって、礼儀正しいものにして、本質から生じる動きすべてに影響をあたえていく。こうした長所を生み出してくのは、他の長所なのである。(さりはま訳)
 
 
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日米安全保障条約で復習する英語

ARTICLE I
第一条:
締約国は、国際連合憲章に定めるところに従い、それぞれが関係することのある国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決し、並びにそれぞれの国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎むことを約束する。
 
The Parties undertake, as set forth in the Charter of the United Nations, to settle any international disputes in which they may be involved by peaceful means in such a manner that international peace and security and justice are not endangered and to refrain in their international relations from the threat or use of force against the territorial integrity or political independence of any state, or in any other manner inconsistent with the purposes of the United Nations.
 
The Parties ( 主語 、国民) undertake( 動詞 ,同意する), 
as (のように)set forth (述べられた)in the Charter of the United Nations(国際連合憲章), 
to settle (解決する) any international disputes (国際紛争)
in which (関係代名詞で先行詞は国際紛争)they may be involved (関わり合いになる)by peaceful means (平和的手段)
in such a manner (やり方で)that international peace (国際平和)and security (安全)and justice (正義)are not endangered (危険にさらす)and to refrain (慎む)in their international relations (国際関係)from the threat (威嚇)or use of force (武力の行使)against (に抗って)the territorial integrity (領土が完全な状態であること)or political independence (政治的独立)of any state(いかなる国), 
or in any other manner inconsistent (一致しない)with the purposes (目的)of the United Nations.
 
☆The Parties の意味に悩んだけれど、COBUILDにあるA party of the people is a group of people who are doing something togetherness. か?条約を結んだ国民は、…に同意しました。の意味だと思う。
 
 
締約国は、他の平和愛好国と協同して、国際の平和及び安全を維持する国際連合の任務が一層効果的に逐行されるように国際連合を強化することに努力する。
 

The Parties will endeavor in concert with other peace-loving countries to strengthen the United Nations so that its mission of maintaining international peace and security may be discharged more effectively.

 
The Parties (主語、条約を結んだ国民)will endeavor (動詞、務める)in concert with (と協力して)other peace-loving countries to strengthen (強化する)the United Nations so that (〜するように)its mission (任務)of maintaining (維持する)international peace and security (its missionからsecurityが主語) may be discharged (遂行する)more effectively(効果的に).
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アルフレッド・マーシャル 経済学原理 第八版への序文 24ページ

こうした事柄については、現在までの版で、ますます重要視されてきたことである。製造と貿易の枝分かれしたあらゆる部分に、限界収益点(生産量をわずかに増加させたときの総収益の増加分)があるという関係事項についても同様である。限界収益点については、仕事をする人がどんどん利用するようになると、定められた状況のもとで利益をだすようになるだろう。しかし、そうした状況をこえても、限界収益点をもっと適用していくことで、収穫逓減(しゅうかくていげん・・・他の生産要素(例えば土地)を一定とし一生産要素(例えば労働)のみを増加させると、収穫の絶対量は増加するが、その増加率は漸減すること)が生じるだろう。需要がふえていかなければ、収穫逓減を生じるのに必要な製造者が適切な数に増えていくことにもならない。補足的な事実だが重要視されつつある事実がある。それは限界収益点は統一されたものでもないし、絶対的なものでもないということである。限界収益点が変化するのは、問題の状況にもよるし、とりわけ言及されることになる期間の長さにもよる。ルールは世界共通である。(1)限界費用(生産量を一単位増やすことによって生じる総生産費の増加分)は価格を支配しない。(2)限界収益点においてのみ、価格を支配する力で活動をおこない、はっきりとした光でその力見ることができる。(3)限界収益点とは長い期間にわたって永続的な結果に関連して研究されなければいけないものであり、短い期間に一時的な変動に関連して研究されなければいけないものとは異なる。(さりはま訳)(24ページ)

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アルフレッド・マーシャル 経済学原理 第八版への序文 23ページ

社会に関する歴史には段階があって、その段階において収入の特徴が生じたが、それは人間関係を支配してきた土地の所有権によるものである。おそらく土地の所有権のほうが人間より上位にたつと、もう一度主張する者もいるかもしれない。しかし今の時代においては、新興国から踏み出した第一歩は陸上や海上における低価格の移動運賃に助けられることになり、収穫逓減への傾きがほぼ停止したのである。その意味では、収穫逓減という言葉がマルサスやリカードによって用いられたとき、英国の労働者の一週あたりの賃金は、良質の小麦1ブッシェルの半分の価格より低いものだった。もし人口の伸びが現在の率の1/4倍となり、その状態が長く続いたとしても、土地のあらゆる使用に対する地代の合計(公共機関による規制をうけないと仮定する)は、他の形式の物的財産を剥奪したことによる収入を合計したものを上回るかもしれない。たとえ20倍の労働を示すことになるかもしれないとしてもだ。(23ページ)(さりはま訳)

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アダムスミス 道徳感情論 1.1.39 平静を取り戻すには人づき合いをして会話をすること

 だから心に平静さを取り戻すのに一番効き目のある治療とは、人とつきあったり、会話をしたりすることである。もし不幸にも心が平静さを失っているときは、いつでも効き目がある。最高の保存料のように、平静さを同じように、幸せな状態に保つ。仕事を退いて思索にふける人は、悲しみについて、あるいは怒りについて、家で熟慮しながら座っていることが多い。しかしながら往々にして慈悲にあふれ、器がおおきく、ユーモアを解する優れた心の持ち主である。だが、この世の人々と等しい性分は持ち合わせていない。(さりはま訳)

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アダム・スミス 道徳感情論1.1.38 他人のほうが心静まるもの

 しかしながら一人の友でも,仲間は心に静けさと平穏をいくらかでも戻してくれるので、精神がここまで妨げられることは余りない。心中がいくぶん静まり、相手の立場に身をおく時がくる。状況をてらす明かりのなかで思いだすとき、私たちも同じ光のなかで自分の状況をみるようになる。共感の効果がただちにきいてくるためである。友の共感にくらべ、知り合いにはあまり期待しない。知り合いには、こうした状況を打ち明けることができないが、友人には打ち明けることができる。だからこそ知り合いの前では平静さをよそおい、相手が厭わないで考えてくれそうな一般的な状況にまで、自分の考えをあわせようとする。他人の集まりには、共感をもとめない。だから他人の前では、一段と静かになり、相手のレベルにまで情熱をダウンしようとする。そのなかに私たちがいる仲間は、こうしても異存がないように思われているのかもしれない。あるいは偽りの姿でしかないのかもしれない。もし私たちが自分自身の主であるなら、知り合いにすぎなくても、その存在は心を静めてくれるからだ。むしろ友達よりも心を静めてくれる。他人の集まりのほうが、知り合いの集まりよりも心を静めてくれるものになるだろう。(さりはま訳)

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