コデックス装にトライ
中板橋の手製本工房まるみず組でコデックス装のテクニカルレッスンにトライしてきた。
コデックス装は、背表紙がなく背の糸かがりが見える装丁。
コデックス装の名前の由来は分からないそうだが、海外では作られてはいるが検索しても出てこないとのこと、おそらく日本のブックデザイナー祖父江さんが考案されたのでは……とのお話をまず聞く。
祖父江慎さんがデザインされたコデックス装の本。
分厚いため補強の寒冷紗を背に貼っているそう。そのため糸は見えない。もしかしたら糸部分で文字を書いているのでは……とのこと。
しかも、この本は本文の色が違う。つまり違う種類の紙を束ねてコデックス装にしているそう。
紙の種類が異なると、どう反応するか分からないため製本も難しくなるとのこと。
そのため、この装丁ができる会社はとても限られていて、板橋区内のある製本会社が手がけたとか。
奧付き。残念なことにその製本会社の名前は記されていない。製本会社の名前まで記してほしいな。
強度的に弱いところがある製本方法だそうだが、シンプルでおしゃれ。糸の色で遊べる。
紙も文庫本くらいの薄めの紙がよいらしい。
糸も太い糸だと浮いて壊れやすいので、細めの糸がいいとのこと。ダイソーのレースヤーン60とかも使えるらしい。
今回、16ページの折丁を八つ。つまり128ページある。このくらいあれば、結構色々作れる気がする。
四本の糸の両端に針をつけ、折丁を重ねてかがっていく。
みんな早い。かがるのも、切るのも早い。
私一人だけトロトロと遅れて作業する。でも先生は優しく教えてくださる。
折丁を切るとき、一折間違って袋側を切ってしまいバラバラになってしまった。呆然とする私に、先生はご自分の折丁を一山くださり、ご自分は新たに紙を取ってきて折って、ささっとカットされる。
↓糸がユワユワしているけど、このあと引き締めた。
黙々とかがる。写真を撮る余裕もなくかがる。最後、糊で背固めをする。乾くと糊の痕跡はなくなる。
↓出来上がり。糸がカタカタなところも不器用な私らしい。
見返し↓
見返しは色違いにしてみた。折丁、綺麗に切れていない……と今頃気がつく。
表紙のボール紙は、額装のオリオンのカラフルなマットボードを使用するのもお勧めだそうだ。
コデックス装、可愛いだけではなく、開くとフルフラットにパカっと開くのもステレスフリーでよいなあと思う。本を開いて書き写すときパカっと開かないから結構イライラすることが多い。
モタモタしたが無事に形になって、コデックス装の魅力も知った。先生に感謝。